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DIALOGUE関連企画「山田遊の視点」

今年も2月末に開催される工芸の見本市&展示販売界「DIALOGUE」(イベント詳細はこちら)。その期間中に、トークゲストとしてバイヤーの山田遊さんの登壇が決定! そんな山田さんが今、どんなことに注目しているのか。京都の工芸をどう見ているのか。その目に迫っ た。

山田遊 /バイヤー
南青山のIDÉE SHOPのバイヤーを経て、2007年、methodを立ち上げ、フリーランスのバイヤーとして活 動を始める。現在、株式会社メソッド代表取締役。主な仕事として、国立新美術館ミュージアムショップ 「スーベニアフロムトーキョー」サポートディレクション、KITTEK丸の内「GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA」ショッププロデュース、「燕三条 工場の祭典」イベント全体監修など。著書に 『別冊Discover Japan 暮らしの専門店』(エイ出版社)、『デザインとセンスで売れるショップ成功のメソッド』(誠文堂新光社)。

―近年、気になっている工芸作家はいますか。

山田:2018 年に日本国内でも展覧会が開催された*、アイルランドのベルファストで製作活動を行ってい る陶芸家、デレク・ウィルソン(Derek Wilson)の作品です。ろくろで一つ一つ作る日常的な食器も素敵で魅力的なのですが、とりわけ彫刻的な美しいオブジェクトに強く心惹かれています。

*2018.10.19~11.4CURATOR’S CUBE(東京・虎ノ門)

―日本の産地でいえば、どこに注目していますか。

山田:一昨年から仕事で通い始めた飛騨高山です。古くは租税の代わりに、都へ職人を差し出し、宮殿や 寺院の建造に従事したという歴史的事実が残る土地です。そんな伝統ある匠の土地に根付いた木工技術 は、素材である周辺の林業との関係性も含め、非常に興味深く見ています。

―それでは、2020年に入ってからの動きのなかで、心に留まったことを教えてください。

山田:今週、社員研修で佐賀に行ったのですが、久々に訪れた有田の泉山磁石場が、あらためて強く印象に残りました。約400年もの時間をかけ、一つの山を掘り尽くした景色から、これからの産地とは? という問いに対して、また考えるきっかけとなりました。

―山田さんの目には京都の工芸はどう見えていますか。

山田:京都という日本随一の歴史と伝統ある土地が、本国内でも一、二を争う高級なブランド価値を産んでいると考えています。工芸の世界においても、その気風はまだまだ色濃く残っているとは感じるものの、一方で、その本来の価値を活かしたものづくりに、一部を除き、なかなか反映できていないような印象を受けています。 京都という土地の掘り下げと、その土地でものづくりを行う意義の再認識があらためて必要なように思えてなりません

―これからの工芸にどんな視点が必要でしょうか。

山田:現代社会の状況と同様に、工芸の世界でも近年、急速に土地(産地)から、作家が縛られることなく自由になっている印象を受けています。工芸と産地の関係性が今後どう変化していくのか。その土地が工芸に与える影響は、素材や歴史、伝統以外に何が要因となるのか。そのあたりを注視しながら、未来に向けて考えていく必要があると考えています。

―ありがとうございます。最後に「DIALOGUE」にどんなことを期待しますか。

山田:主に東京で長い間、多くの合同展示会の企画などに携わってきましたが、正直なところ、ここ数年は合同展示会の存在意義に大きな疑問や問題意識を抱いてきました。僕は、今もその答えを探っている最中ではありますが、そんな当事者としても、また、いちバイヤーとしても、初めてのDIALOGUEへの訪問を楽しみにしています。

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KOUGEI NOW 2020

Kyoto Crafts Exhibition “DIALOGUE”
「未来志向のものづくり」を意識した作品やプロダクトが並ぶ展示販売会。
2020年2月27日(木)、28日(金)、29日(土)、ホテルカンラ京都にて開催。(27日終日・28日17時までは招待客のみの内覧会。)
TAKAKO DESIGN WORKS(京都)、白白庵(東京)、ふくろやタオル(大阪)、文染(京都)、南條工房(京都)、株式会社 龍村美術織物(京都)、AIUEO × 竹笹堂(京都)、Take a nap Crackers(京都)、錺之 -KAZARINO-(京都)、我戸幹男商店(石川)、輪島キリモト(石川)、つまみかんざし彩野(千葉)ほか、約60組が参加する。イベント詳細はこちら
2月28日(金)17:30〜19:00に山田遊とキュレーターによるトークイベントも開催。http://kougeinow.com/

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TEXT BY ATSUSHI TAKEUCHI

20.02.06 THU 16:51

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