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編集部 崎川の工芸体験 vol.5 小菱屋忠兵衛「ちび丸作り」

編集部最年少の崎川が様々な職人技に挑戦するシリーズ第5弾は「ちび丸作り」です。今回は「京提灯」の技術を継承する小嶋商店を訪れ、ブランド「小菱屋忠兵衛」によるオリジナルデザインの、手のひらサイズの提灯「ちび丸」作りに挑戦しました。

小菱屋忠兵衛「ちび丸作り」
【所用時間】約1時間
【料金】一般3,500円
【開催日】平日、土曜日 10:00〜12:00

皆さんは「京提灯」とその他の提灯の違いをご存知ですか? その特徴は「地張り式」という製法にあります。一本の竹ひごをらせん状に巻いて作る「巻骨式」という方法で作る提灯が一般的ですが、「地張り式」では割った竹を型に合わせて輪状にし、それを平行に組んで糸でつって形を作ります。「平竹」という提灯の骨格となる部分が骨太で、貼られる和紙も厚いため丈夫な提灯が完成します。
しかし大変な時間と手間がかかるため、専門の職人さんや提灯屋は今では数えるほど。創業江戸寛政年の小嶋商店では元々分業であった竹割りから絵付けまでの全ての工程を継承しています。
そしてそのような京提灯の技術用いて、現代の提灯の可能性を追求するため生まれたのが「小菱屋忠兵衛」という明かりのブランドです。

職人さんが仕事をしているすぐそばで体験を行います。

職人さんが仕事をしているすぐそばで体験を行います。

 

今熊野にある昔ながらの商店街から横道に抜けると「小嶋商店」の暖簾が見えてきます。玄関を開けると、部屋の真ん中に大きな提灯があり、その隣には黙々と作業される職人さんたちの姿がありました。
「こちらへどうぞ」と作業場に案内され、「え、ここで体験するんですか?」と戸惑う私・・・。今回で5回目となる工芸体験ですが実際に職人さん方が作業されている隣で体験するのは初めて! 職人さんの仕事や現場の雰囲気を感じながら体験することができ、ドキドキしました!

今回教えて下さった提灯職人の小嶋俊さん。小嶋商店10代目として活動をされています。

今回教えて下さった提灯職人の小嶋俊さん。小嶋商店10代目として活動をされています。

 

「ちび丸作り」はまず、提灯に貼る和紙選びから。色の付いた和紙と模様の和紙を自由に組み合わせてオリジナルの提灯を作ることができます。どの和紙も可愛くてとても悩みます。

和紙の種類は全部で12種類

和紙の種類は全部で12種類

 

まず提灯の骨格となる平竹の部分に糊を塗っていきます。これが意外と難しく、苦戦しました! 紙に塗るように筆を走らすと竹に引っかかり、糊が竹の裏側に溜まってしまいます。塗るのではなく、筆を当てるように使っていきます。
小嶋さんのお手本では簡単そうに見えたのですがいざ自分がやるとなかなか上手くいかず糊が溜まってしました。筆も持つと無意識的に塗ろうとしてしまうんです。小嶋さんも「どうしてそんなに難しいのかな?」と苦笑い。

和紙がきちんと付くよう糊はたっぷりと塗ります。はみ出してしまった糊は指で取り除きます。

和紙がきちんと付くよう糊はたっぷりと塗ります。はみ出してしまった糊は指で取り除きます。

 

次に2枚重ねになった和紙を湿らせ、2枚同時に竹に貼っていきます。シワにならないよう一番上から竹に沿って和紙を当てていき、左右の余分な和紙は糸に沿うように手でちぎり綺麗に仕上げていきます。
糸の際ギリギリにちぎれば綺麗に仕上がると言うので、ついつい集中しすぎて変な体勢になり、小嶋さんから「その姿勢大丈夫!?」とツッコミが。工房ということで最初は緊張気味でしたが小嶋さんの気さくな雰囲気のおかげで楽しく体験することができました。

1面目が完成したら同じ工程をあとの3面にも行っていきます。

1面目が完成したら同じ工程をあとの3面にも行っていきます。

 

私の存在を物ともしない周りの職人さんのリズムよい作業音でさらに集中力が高まります。しかし丁寧に和紙をちぎったつもりが失敗。失敗した箇所は最後に小さくちぎった和紙を貼って修正します。
4回目にしてやっと上手く貼ることができました!

ちび丸で使用した型。

ちび丸で使用した型。

 

4面全て完成するとドライヤーで和紙を乾かし、提灯を型から外します。
この型は提灯の形、サイズごとに変わるため、工房の壁にはたくさんの型が並びます。竹を割る作業から型作りまで、京提灯を作る作業がいかに大変か分かります。

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9代目にあたる小嶋さんのお父様の時代はまさに大量生産大量消費の時代。もの作りを簡易化することが良いとされていた時代の中、「それでは駄目だ!」と京提灯の技法を守り続けてきたそうです。そんな9代目の踏ん張りがあり、現在では手仕事も少しずつ見直され、本当にいいものを求める意識に変わってきているそう。

「型は次の世代へと繋がっていく。だから自分の代でも多くの型を作り、それをストーリーとして残していきたい」と小嶋さんは話します。

完成した「ちび丸」の可愛らしさにうっとり。

完成した「ちび丸」の可愛らしさにうっとり。

 

上下の和紙を整えたら、手のひらサイズのちび丸が完成です。可愛い出来に大満足!
現代では、お店になかなか売っていない物だからこそ、オリジナルの提灯はとても特別感がありますよ。ぜひあなたも体験してみてください。

ちび丸用のLEDライトも体験料に含まれている。明かりを付けるとちび丸の印象も変わり、部屋も落ち着いた雰囲気に。

ちび丸用のLEDライトも体験料に含まれている。明かりを付けるとちび丸の印象も変わり、部屋も落ち着いた雰囲気に。

 

小菱屋忠兵衛
住所:〒605-0971京都市今熊野椥ノ森町11-24
営業時間: 10:00〜18:00
定休日: 日、祝日
Tel: 075-561-3546
HP : http://ko-chube.com/

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TEXT BY MARIE SAKIKAWA

PHOTOGRAPHS BY KUNIHIRO FUKUMORI

17.03.10 FRI 10:00

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